38 しかしあなたは拒んでお捨てになりました。あなたは激しく怒っておられます。あなたに油注がれた者に向かって。
39 あなたはあなたのしもべとの契約を廃棄し彼の王冠を地に捨てて汚しておられます。
40 あなたは彼の城壁をことごとく打ち壊しその要塞を廃墟とされました。
41 道行く者はみな彼から奪い取り彼は隣人のそしりの的となっています。
42 あなたは彼の仇の右手を高く上げ彼の敵をみな喜ばせておられます。
43 しかもあなたは彼の剣の刃をさやに戻し彼が戦いに立てないようにしておられます。
44 あなたは彼の輝きを消し彼の王座を地に投げ倒されました。
45 あなたは彼の若い日を短くし恥で彼をおおわれました。セラ
46 いつまでですか。主よ。あなたがどこまでも身を隠されあなたの憤りが火のように燃えるのは。
47 心に留めてください。私の生涯がどれほどかを。あなたがすべての人の子らをいかにむなしいものとして創造されたかを。
48 生きていて死を見ない人はだれでしょう。だれが自分自身をよみの手から救い出せるでしょう。セラ
49 主よあなたのかつての恵みはどこにあるのでしょうか。あなたは真実をもってダビデに誓われたのです。
50 主よみこころに留めてください。あなたのしもべたちの受ける恥辱を。私が多くの国々の民をすべてこの胸にこらえていることを。
51 主よあなたの敵どもはそしりました。あなたに油注がれた者の足跡をそしったのです。
52 主はとこしえにほむべきかな。アーメン、アーメン。

今日のみことばの要約

主は、ご自分が油注いだ者に向かって激しく怒り、契約を廃棄して彼の王冠を地に捨てて汚されました。また彼を敵の手に渡し、彼の輝きを消されました。詩篇の作者は、短い人生のむなしさを語り、ダビデとの誓いと主のしもべたちの受けている恥辱をみこころに留めてくださるよう祈り求めます。

みことばから

ダビデ契約の危機 (89:38~45)
神はダビデ王朝がとこしえに続くと約束されました。それなのに、詩篇の作者の直面している現実はそれとは違っていました。北王国イスラエルはずいぶん前に滅び、南王国ユダも滅びました。神がダビデ王朝を捨てて契約を破棄されたかのようでした。敵の攻撃によって城壁が崩れ、要塞が破壊されました。イスラエルは戦いに敗れ、異邦人たちは神を嘲りました。詩篇の作者の目には、目の当たりにしている現実が、神が語られたものとはあまりにも違って見えました。それで、詩篇の作者は、神の御前に出て正直に尋ねます。理解できない状況を許された方は神です。神の御前に出て祈りによって闘うとき、真の解決策を見出すことができます。

- 神の契約とは違ってダビデ王朝の結末はどうなりましたか。みことばと現実が違っていると感じるとき、あなたはどこから答えを見出しますか。

神への懇願 (89:46~52)
詩篇の作者は、イスラエルに向けられた神の怒りが速やかに終わるよう願います。彼は、ダビデと結ばれた主の契約は今どこにあるのかと問い詰めるように尋ねました。そして、契約が有効であるならば、主が油を注いで立てられた王と選ばれた民がこれ以上異邦人の嘲りを受けないようにしてほしいと願います。神が生きておられ、ご自分の民を愛しておられるならば、このような現実を放置しておかれるはずはないというのです。彼は、人生は非常に短いと言い、速やかに神の民を回復させてくださるよう願い求めます。89篇は詩篇第３巻の最後の詩で、最後の節は頌栄で終わっています。私たちは、みことばをもって神の御前に出て、正直に祈り、すべてのことを感謝と賛美で締めくくらなければなりません。

- 敵のそしりの中で詩篇の作者が神に願ったことは何ですか。恥辱的な現実の中で、あなたが神に向かって願い求めるべきことは何でしょうか。

きょうの祈り

神様の契約が破棄されたような現実においても、神様だけにすがって歩みます。神様は不正と苦難も鍛錬の道具とし、すべてを働かせて益としてくださると信じます。後にこの時間を振り返り、神様が真実に約束を果たしてくださったと告白する幸いな人生となりますように。

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